弁護士広告が解禁されて9年。今では司法広告は広告分野の一つとなりつつあるが、弁護士広告を業界内部で規制する動きがあつのか?外部からではうかがい知れないと書いたら、コメントが寄せられた。
いつもコメントを寄せてもらえるvipperな名無しさん。
外には出にくい業界内部の見方の一つとして貴重な意見だと思うので、あえてまたご紹介したい。
このブログには、士業とくに司法書士、弁護士の方からのアクセスもあるので、この意見を読んで、またコメントを寄せていただきたい。

(最近では、東京の地下鉄広告は一時ほど見られなくなっている)
vipperな名無しさんの投稿コメント2010年1月9日○は このブログ筆者コメント・意見です
規制を求める動きの原因は二つあって
・地方の弁護士の権益保護
・特定政党系の弁護士の権益保護
です。
二番目は日弁連で特定政党系の弁護士たちが長らく力を持ってきたことを考えればわかる話です。
彼らは関連する団体から集客しますので、直接の広告を必要としません。
逆にいえば、弁護士広告が規制されていた時代、一般の人は、身近に弁護士の知り合いがいない限り、政党系の組織からたどらないと弁護士に辿りつけなかったわけです。
だから、政党系の事務所は一般市民からの需要の大部分を独占していました。
○ 名無しさんが指摘する、政党系の弁護士には直接の広告を必要としないというのは、具体的にどのような仕組みに裏付けられていたのでしょうか? クレサラ金被害者の救済団体のような仕組みはわかりますが、そのほかになにかあるのでしょうか。また労弁と言われる集団が昔あったと思いますが、そのような弁護士集団はいまも健在なのでしょうか?
ところが、最近は広告自由化で簡単に弁護士を探せるようになったため、おそらくは政党系事務所の客が減ってしまったのです。
政党系事務所にとっては多重債務者はまず弁護士報酬を払ってくれ、次には自分たちの運動に誘えるという意味で二重に歓迎だったわけで、それが他の事務所に行ってしまうようになったというので怒ってるわけです。
政党系以外の地方の事務所に関しては、政治的な意味はありませんが、これまで待っていれば客が来たのに、広告で情報を提供する東京などの事務所のほうが一般の人には魅力的なので、客が減ってしまい、なんとなく規制してほしいと思っている弁護士もいるようです。
○これはよくわかりますが、広告には需要喚起の意味もあります。現実に 弁護士司法書士広告の解禁によって、弁護士マーケットの市場は大きく広がったと言えます。
特に、テレビラジオの広告を実施している事務所は限られていますが、ホームページは限りなくあります。
ホームページといっても、事務所案内を出すだけのようなところから、キーワード・SEO対策など、WEb集客を想定したHPがこの1年急速に増えてきました。弊社に問い合わせが多いのも、この集客を想定した事務所・弁護士からです。そのような意味では、短い限らてた時間(15秒 30秒)に表現上の不足を口実に、規制を導入することは、可能だと思いますが、WEB広告の広がりを考えると、規制論は、技術的に大変だと思います。
ただ、地方でもホームページくらいはつくっている事務所が増えてきたので、いざ規制導入となると激しい抵抗にあう可能性はあります。
しかし、弁護士の場合、懲戒権が弁護士会と日弁連にあるため、なかなか組織に逆らいにくいんですよね。今回の高山先生の件などみていると執行部に反対する意見を言って人を集めたりするのは怖い気がします。
○ ここはよく聞く話ですが、法律と正義以外に縛られない教育を受けている弁護士が、業界内では「長いものにまかれろ」というのがどうもよくわからないのは私だけでしょうか?
そういう意味では、懲戒権が司法書士会にない司法書士のほうがより規制への抵抗が強く、司法書士の広告規制のほうがさらに難しいということになるでしょう。
司法書士のほうがギルドへの忠誠心が弱いということは彼らと話していて感じます。地方に進出するにしても推薦人制度がないので、入りやすいらしく、同一ブランドの事務所でもまず司法書士から進出させているところもあるくらいですし。
そうすると、債務関係の仕事は司法書士の独壇場になるかもしれませんね。
○ これは大変面白い観点です。大阪では二つの業界の裁判がありますし、現実に広告で後れをとった弁護士が、この分野で遅れをとったという報道が昨年ありました。(MBS)
http://www.mbs.jp/voice/special/200905/21_20308.shtml
確かに監督官庁が 法務局ですから 独占禁止法のようなことはなかなかですよね。
そうであれば、破産や民事再生の代理人資格を司法書士にも認めないと、市民に不安を与えることになってしまいますが・・
なかなか一般市民には、どこの世界の内部もうかがいにくいものです。また関係者のご意見を求めたいと思います。