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2009/07/25

弁護士会の多重債務整理ガイドライン

6月23日日本弁護士連合会が多重債務の整理をめぐるガイドラインを公表した。読売新聞などが報じている。

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この記事にある多重債務の処理をめぐる問題は、弁護士広告などを扱う立場からも関心を寄せていた。弁護士に限らず司法書士・税理士などのいわゆる士業の集客が、古い「紹介」にたよるだけのやり方では時代に対応できないのは明らかだが、弁護士という人権や法律を通じて社会正義に資する立場も合わせもつことを考えると、広告によって集客した結果、お客からの苦情につながるケースがあるとすれば本末転倒と言わねばならない。弁護士業はお金を取ってやる以上、「ビジネス」の側面があるのは当然だが、この数年前まで広告を禁じていたことそのものが、そのサービス業の側面が軽視されてきたように思う。

しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし・・。というのだろうか、多重債務の「過払い」については、消費者金融のそれまでのつけが回ってきたというのだろうか、金融業者からの「過払い」取り戻しビジネスがにわかに活況を帯びてきた。その結果、折からの広告不況のなかで司法業がクライアントとして注目を浴びることとなり、にわかにテレビ・ラジオなどでこの1年大いに宣伝が行われるようになった。

そうすると当然のことではあるが、集客をすればするほど、ころ合いを見定めないところは、お客に対するサービスが落ちてくる可能性があるので、問題になる場合もあると見ていた。

現にコンプライアンスの面や消費者の苦情問題が起きていることも伝えられ、日弁連のガイドラインの説明もそのことが理由となっているようだ。

しかし、私見でいうと、この問題は業界内部の懲戒などの個別対応しかないのではないかと考えている。

というのが、大きな流れからいうと、弁護士5万人時代に向けての業務規制緩和の流れの中で、このような「業務規制」と受け取られかねないこのガイドラインは、業界の既得権擁護に使われかねない側面があると感じる。

広告で集客することではなく、個別の業務態様に問題の所在をさぐるべきで、それを棚上げしているように受け止められるのはマイナスの受け止められ方をするように思える。


もともと、広告は消費者に選択情報を告知するものであり、弁護士業もサービス業である以上情報の告知、ある意味の説明責任でもある。とくにインターネット社会になるとHPによる告知は、当然のように受け止めらて、だれれがなにをどんな考えで行っているかということは、消費者は「当然の知る権利」と考えるようになっている。

そうしたなかでは、広告という手法が禁止の規制があることは、時代に逆行することであることはいうまでもなく、弁護士業界も広告を解禁してきた。

逆に、それだけに、広告をするということは社会的な事柄だから、その広告を頼りにレスポンスしてくる消費者にたいし期待通りのサービスを提供し、「苦情」などが少しでも減るように努力することはコンプライアンスを言う前に至極当然のことではある。

もちろん今回のガイドラインは、直接広告行為を規制するものでもなく、業務の在り方通達でもないけれども、弁護士会の業界自治と懲戒権を考えるといといろな受け止めらて方をすると思われる。

そのようなことを考えると、このガイドラインには弁護士会のなかでも異論があると思っていた。
事実日弁連の理事会の様子を公開しているブログがあったが、様々な意見があるように見受けられる。


6月18日の日弁連の理事会でこのガイドラインが審議されている。その内容を紹介したHPを以下に引用する。


■債務整理の指針について

http://yoshimine.dreama.jp/CALENDAR/200907/03/

【3 ☆多重債務対策本部第3回全体会議】
 担当:藤本 明 副会長(札幌) 宇都宮健児 本部長代行(東京)・新里宏二事務局長(仙台)別冊子
 改正貸金業法(年収3分の1基準の総量規制など)の完全実施の具体的な時期の見通しや生活福祉資金貸付のセーフティネットの整備を急いでいるとの報告あり。3社以上の多重債務者は300万人の見込みであり,この人たちに総量規制の情報を提供するとともに,相談窓口の整備や貸しはがしなどを防ぐ行政対応が必要との報告。
 ★一言コメント:情報の届かない人の掘り起こしには民生委員や行政の強力が必要。弁護士会との連携を強めるためにも無料相談体制・扶助活用の整備が必要。

【4 審議事項9「多重債務事件処理に関する指針案の件」】
担当:藤本 明 副会長(札幌) 資料46の3,46の3の2)
多重債務処理の目的(経済的更生),弁護士の活動指針(直接面談,報告)を定めるもの。奄美事件などの事情あり。再検討。
 和田光弘理事(新潟)から,テレビCMで宣伝して,駅前会場に100人以上の依頼者を集めて相談会を開催する方式は,直接面談の原則に外れているし,くり返し,「指針」に反した場合懲戒にならないのか,との質問。これに対し、直ちに懲戒にはなりにくく,事務員任せの事実が確認できないと,非弁提携の問題としての懲戒は難しいのではないかの回答。
 また,鈴木克昌理事(群馬)から直接面接原則の例外は不要ではないかとの指摘あり。また,鷲見(すみ)和人理事(岐阜)から報告義務の対象となる書類を限定すべきであり,弁護士職務規程の36条は「事件の帰すうの報告」だから限定してもよいはず,との意見あり。一方,我妻 崇(わがつま たかし)理事(仙台)からは,『指針案』の趣旨は了解できるものの,弁護士の業務に対する制限として機能する行政通達的な感がするとの指摘。さらに,永井哲男理事(釧路)から,多重債務者の経済的更生をめざすと姿勢をもっと示す必要があり,過払いだけつまみ食いすることは許されないはずとの意見もあり。
藤本副会長(札幌)はいろいろ意見が出ると予想していたので,再度検討するとの回答。


300万多重債務者の貸出枠の年収規制の実施を控え、電話相談で多くの多重債務処理がすすんでいるのも事実。

このガイドライン、多重債務処理問題との兼ね合いでどのような波紋を呼ぶか注目したい。
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2009/07/03

電車広告の風景

半蔵門線の車内広告に、キャッシングが変わるというキャッチが目を引いた。
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日本貸金業協会が掲載しているものだが、内容は貸金業法の改正にかんするもの、特に年収の3分の1までしか、貸出しができなくなりますよ。という呼びかけだ。
弁護士広告が解禁され、車内広告をホームロイヤーズが出したのが2003年くらいでそれから、この2年は車内広告は、過払い取り戻せます!の広告が目立った。いまも司法書士や弁護士が車内広告を続けている。
しかし、この改正で、年収の3分の1規制が始まると、今の債務者の半分くらいが影響をうけるという。大手の消費者金融の成約率も下がっており、多重債務者は確実に減っているのがうかがえる。
しかし、この貸出総量規制の影響は計り知れないところがある。
やみ金融にゆくとも言われてるし、経済流動性を確保するために総量規制の実施が延ばされるのではないかとも言われている。
ともかく貸金業と多重債務をめぐっては、2009年は時代の変わり目には違いない。
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