
(9月11日 日本記者クラブ 寺島実郎講演)
鳩山さんのブレーンと伝えられ、入閣も取りざたされる寺島氏の「世界情勢」についての講演会が記者クラブであった。予想したようにメディアも商材にきており、入閣打診の有無などについての質問が寄せられた。
その解答は「まったくありません」
「政局にコミットする考えはありません」との姿勢だった。
講演内容で参考になる点を以下いくつか要約する。
日本はアメリカを通じて世界を見てきたが、今でも過剰な期待をアメリカに寄せているが、現状はアメリカの一極支配は終わっている。① アメリカが失った若者たち。
イラク戦争で失った米兵 9月10日まで 4339人
アフガン戦争 9月10日まで 822人
合計 5161人の死者 逆上するアメリカは戦争に突入し、多くの死者を出し続けている
② サブプライム問題で、アメリカが融資・保証などコミットした額は8兆ドル
イラク戦争の戦費は3兆ドル
合計11兆ドル巨額の財政負担が生まれ国債の大量発行につながる
③日本の貿易の対米依存率が下がっている
09年か上半期 アメリカ 13.7%
中国 20.4%
ホンコンシンガポール台湾などをあわせると 30.1%
上海協力機構 中国ロシア中央 インドイラン パキスタン
26.0%
上海協力機構は非アメリカ圏 ここがアメリカの2倍に達する
ちなみに 2004年には アメリカ 18.6%
貿易の数字は対米依存ではなくなっている
以上が示すものはアメリカの世界に対する影響力は大幅に急激に低下している。1991年のソ連崩壊後、アメリカのやり方、民営化・自由競争・そのための構造改革が世界の標準となり、グローバル化とはアメリカ化であった。新しい帝国の実現というひともいた。日本にもそのながれで、年々構造改革教書が送られてきていて。
こうしたなか、アメリカは巨大な赤字国債を抱え込み、中国に期待を寄せている。そのための中国配慮は大変大きなテーマになっている。
中国の抱えるアメリカの国債は 7100億ドル
日本 6700ドル
90歳以上になるドイツ元首相のシュミットはつぎのように言ったという。
「北朝鮮問題は大した問題ではない」
「21世紀の驚異はイスラムの問題である」
中国の安全保障のための周辺国分割統治が北朝鮮の存在かちであり、中国がエネルギー食糧得お止めれば、北は終わる。北のミサイル・核問題は、米中協議の枠で決定され、中国はドルが基軸通貨制に揺さぶりをかけ、さらに国債保有で揺さぶる。中国に対し配慮するアメリカ。これが、今の姿である。
オバマ政権の行方ベトナム後のカーターのように取り分けて成果がない、迷走の道をとるのか
世界恐慌後のフランクリンルーズベルトのように新しい時代をつくるのか
非核化の問題をイスラエルに言えるのか
の問題はもともとイスラエル寄りの民主党にとっては大きな問題である。
世界のあらゆる国が、役割をにない 文字どおり多極化しつつある。
このなかで、在日米軍を抱えるアメリカの周辺国日本は、特殊な国とみられている。巧妙に日米地位協定を見直し、段階的縮小を行わないと、大人の国として見られない

参考
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090908/plc0909082310012-n1.htm
日本総研会長の寺島氏と会談 鳩山氏
2009.9.8 23:09 産経ニュース